ブレインストームのDVD

レーザーディスクはCAVとCLV(どちらも中古で買ったんだけど)を持っているのだけれど、690円のDVDを見つけた勢いでついつい購入。元気がないときや凹んだときに見ても、何かがうまくいっているときに見ても、気持ちを良い方向に進めてくれる大好きな映画。

でもとてもとても残念なことに、DVDの収録形式が僕の好みにまったくあっていないものだった。D端子を通してプロジェクタで見る画像としては、LDよりもDVDの方が圧倒的に鮮明なのだけれど、このDVDでは「ブレインストーム」の面白さは半分未満に減ってしまう。

レーザーディスクはプレイヤーも円盤もまだまだ大切にしなければならない。

以下、ネタバレ。


「人間の感覚を記録・再生する装置」を主題にするこの映画では、この装置を用いて見聞きされるものは横長サイズ(シネマスコープ?)で、それ以外は少しだけ横長のサイズ(ビスタビジョン?)で映し出される。さらに「装置」を通じた映像にはスーパーパナビジョンと広角レンズで撮影された鮮明かつ独特の遠近感を持つ映像が使われ、それ以外の画像は若干粗さを感じるつくりになっている(僕はそう感じる)。

広くて鮮明な映像と狭くて若干粗い映像が入れ替わっていくところ(実際には映像が入れ替わるときに、音声の響き方も替えていると思う)がこの映画のもっとも面白いところなんだと僕は思っている。

しかし、残念なことに今回見たDVDではこれを楽しむことはできない。2種類の画像をテレビの画面の幅を基準にして収録してしまっているので、より横長になる「装置を通した画像」の方が小さくなってしまうのだ。

僕の持っているレーザーディスク2種類は、どちらも「装置を通した画像」の方が大きく(幅広く)見えるようにトリミングされているので、「装置を通してない画像」の時には映像の周囲四方にマスクがかかったような状態になり、それはショボい映像になる。

でも、「装置を通してない画像」がよりショボく見えるというのは、この映画のもっとも大切な部分ではないかと思う。それがこのDVDに収められていないのは本当に残念だ。

もしかして、DVDってとても賢くて、何かしらの設定をすると「装置を通した画像」の方が横長に見えるようにできたりするんだろうか。そうだとしたら、とても嬉しいんだけど。