モンスターハウス

うっかりしていたら近所の映画館における字幕版の上映は終わっており、あわてて日比谷に見に行った。前にもこんなことをしたなと思ったら、去年の夏の「カーズ」だった。まったく学習していない、というか、そういう映画なのか、というか。

以下、ネタバレ。


「映画酒場ゾートロープ」のマスターの「ピクサーほど純粋ではなく、シュレックとかほど下品じゃない」という感想を伺っていたのだけれど、まったくもってそのとおり。大学生くらいのときに立て続けに見た「郊外のコドモによる童貞的視点の冒険映画」とでも言うべきか。そのような映画を具体的にあげられるかというと、それぞれに特質があって、必ずしもその枠内に収まりきらないのであるが、「ポルターガイスト」とか「E.T.」あたりから「グーニーズ」とか「バック・トゥ・ザ・フューチャー」あたりの映画の本質が、僕にとっての「郊外のコドモによる童貞的視点の冒険映画」なのだろうと思う。

とはいえ、この映画についてはもうちょっと後の期間の映画、例えば「グーニーズからホーム・アローンくらいの間」の味わいを感じた。うまく説明できないんだけど。いずれにせよ、30歳になっていなかった自分がこれらの映画を見ていたころを思い出すと、甘酸っぱい気持ちになる。

全体として、面白いとは思うものの話がもう少し膨らんで欲しいとは思った。とはいえ、映画が退屈だったかというとそうでもない。前編をCGで作るような映画になると、家が暴れるシーンと、普通のシーンにかかるお金が一緒だから、家が暴れるシーンをたくさん作った方がお得ということになるのだろうか。裏を返せば、実写のお化け屋敷映画が人物の描写などに時間をたくさん割くのは、家が暴れるシーンは予算の関係であんまりたくさん使えないから、ということだったのかもしれない(「ジョーズ」にサメの出てくるシーンが少ないのは予算の関係、と中子真治の本に書いてあったな)。

低音のブラスがブリブリと鳴る音楽がなかなか秀逸。ダグラス・パイプスという名前は聞き覚えがあるように思うのだけれど、imdbで調べた限りでは僕との接点はなし。サントラ買っちゃいそうだけど、しばらくは中古とかが出るのを待ってみるか(無理かな)。