デーモン小暮から学ぶべきこと

デーモン小暮が相撲の話をしているのは、とても面白い。

そもそも、彼は相撲以外についても面白く語ることができる人なのだろうとは思う。昔、たしか日本テレビの深夜番組の中でやっていた「ロック番付」(タイトルは適当)というコーナーも、彼が相撲の話をするときとよく似た面白さを持っていた。この企画はミュージシャンを特定の基準(ギター早引きとか、顔がでかいとか)で番付にして、デーモン小暮が面白おかしく解説するものだったので、彼の相撲話が「デーモン小暮が相撲の話をする意外性」によって面白くなっているとは言えない(意外とは言えないジャンルの話でも彼は面白く話す)ことの裏づけと言えると思う。まぁ、そもそも、デーモン小暮と相撲は、知っている人にとってはとても自然なつながりではあるのでしょうけど。

これまた昔に見た番組で、子供の相撲大会を取り上げるテレビ番組のゲストに元横綱輪島とデーモン小暮が出演したことがあった。このとき、優勝した子供と輪島が対戦する、というような企画があって、この取り組みの途中、デーモン小暮は解説を放り出して、カメラを持って輪島の撮影に夢中になっていた。曰く「輪島さんが土俵に乗るところなんて、絶対に見れない!」。(当時、輪島は既にプロレスも経験済みの時代)。この場面は僕がこれまでにテレビで見た、忘れられない感動の名シーンのひとつ。

彼の話を面白いと思う理由は何だろう。知識があることと、それをよどみなく話せることと、態度がガツガツしていないことだろうか。彼の話を聞いていると、こちらまで彼と同じものを好きになってしまいそうな、彼と同じ事象に同じくらいのめりこんでみたくなるような、そんな気持ちになる。これはすごいことだと思う。

追記:いや、なにより彼に愛があるからじゃないの?

自分の好きなことを、そのまま表出することで、同じものを好いている人たちとコネクションを持てることは、これまでインターネットを使ってきてわかった。デーモン小暮から学ぶべきことがあるとすれば、彼のような立ち振る舞いをすることで、もしかしたら、僕と同じものに興味を持っているけど、まだ好きとは言えないくらいの人を、ググっとこちらに引き寄せることができるかもしれない、ということだ。

あとは、どうすれば彼のように立ち振る舞えるか、ということになるのだけど、もしかしてあれは才能によるもので、誰にでもできるわけじゃない、というオチだったりするのか。