飲酒以前に運転は危険

飲酒運転のニュースが盛り上がっている。飲酒運転が悪いことについては異論はない。ぜひとも、飲酒運転のない世の中にしていきたいものだとは思う。

しかし、ヘソ曲がりとしては、少し余計なことも考えたくなってしまう。

なぜ、飲酒運転をしてしまうのだろう。それは、飲酒運転をして事故を起こす確率はそれほど高くないからじゃないだろうか。お酒を飲んで運転すれば事故を起こす可能性が上がることはほぼ間違いないのだろうが、そもそも、車を運転する以上、事故の可能性はゼロじゃない訳で、その辺の矛盾のようなものが飲酒運転に対する抵抗を低くしているのではないかと。

そもそも、車を運転することは危険だ。避けられないタイミングと位置で飛び出してくる歩行者はいると思う。道路交通法的には、見通しのきかない場所は徐行で、徐行というのは何メートルだかで停まれるスピードだから絶対に避けられますよ、ということになるのかもしれないけれど、実際問題、そんな運転をしているひとはそうそういないと思う。法定速度を守って走っている車はかなりウザったい存在のはずだ。

また、運転の危険性を高める因子はお酒だけではないだろう。睡眠不足、満腹、悩み事、医療機関で受けた麻酔、同乗者との会話、飲食しながらの運転、動画や音楽の鑑賞、運転に関係ない機器の操作、その他色々。

車と共存する社会というのはそれ自体危険であって、それを踏まえたうえで少しでもその危険を減らすためにまずは飲酒運転をなくしましょう。そういう考えるのがオトナってものなのかもしれない。飲酒運転以前にそもそも車って危険じゃん、と言い出しては何も収まらない。

しかし、とりあえず飲酒運転だけを槍玉に挙げることは、落としどころとして適切なんだろうか。お酒を飲んで自動車を運転する人の気持ちを捉えていないんじゃないだろうか。そんな風に思う。