デーモン小暮から学ぶべきこと、その2

大相撲中継に、またデーモン小暮がゲスト出演すると何日か前に知って以来、とても楽しみに待っていた。昼過ぎに買い物を済ませ、家でのんびりとテレビを見た。

僕は相撲をそれほど熱心に見るわけではないので、PCであれこれ遊びながらテレビを流しっぱなしにしていたのだけれど、今回はこの「ながら見」を続けるまま6時になって相撲が終わってしまった。PCから顔を上げるようなひっかかりのある話はいくつかあったけれど、昨年ほど印象に残るやりとりはなかったように思う。

デーモン小暮に贔屓目な見方かもしれないが、今回の中継のアナウンサーと解説の親方(元朝潮の人)が、あんまり会話を持とうという気持ちがなかったんじゃないかな、と感じた。

まぁ、親方さんはそんなに言葉巧みにあれこれ語ったり、聞いたりできないものなんだろうし、朝青龍がいる部屋の親方としては、コメントに注意が必要だったりするのかもしれないし。

結びの一番で、朝青龍がキセノサトに勝つ直前にちょっとコケそうに(?)なったのをデーモン小暮が指摘していたのに対して、アナウンサーさんは「朝青龍の完勝」として文字通り寄り切ってしまっていたのが面白かった。中継時間が足りなくて議論している暇がなかったのか、自分の判断が正しくて、デーモン小暮の判断を取るに値しないと考えたのか、NHKとしては朝青龍の強さを前面に押し出していくという立場なのか。考えすぎかな。

全体的に、今回のデーモン小暮はコメントを控えているのかなぁ、と感じた。予想に過ぎないけれど、彼は関取だった解説者や、相撲中継の経験を重ねてきたアナウンサーにとても強い敬意を持っているのではないかと思う。なので、彼等の判断だったりコメントだったりを否定するような態度はとらず、そのコメントを尊重した上で、自分なりの気持ちだったり考えだったりを選んで提示しているのではないかと。相撲と相撲中継は彼にとってとても大事なもので、その中の人である関取や親方や放送の送り手を大切に扱っているのではないかなぁ。

自分の大事なものを作った人、見せてくれた人、その他、それにかかわった人への感謝だったり尊敬だったりを忘れずに、なおかつその大事なものへの愛情をきちんと話し、その人たちと意思疎通をおこなえる、そんな人になりたいなと思うし、デーモン小暮は(少なくとも相撲について言えば)そういう人なんじゃないかと感じて、彼をより好きになった。