エピソード3

スター・ウォーズ・エピソード3・シスの復讐」のDVDを見終わった(とりあえず副音声じゃない方の本編のみ)。こんな言い方になるのは、ご飯を食べながら4回くらいに分けてみたから。

以下、エピソード6本のネタバレを含む話。

14インチのテレビで見ると、この映画が大画面を前提にしたつくりになっていることに改めて実感。あ、でもいまどきはDVDで鑑賞する際もかなり大きな画面で見る人がおおいから、ビデオ向けだからクローズアップ中心で、映画館だから引いた絵が多い、という図式は必ずしも成り立たないのかな。

字幕はずいぶん変わっていたけれど、あれ、ここは変えないのね、というところもあったりした。「コマンダー」とかは「中佐」とかにした方が僕は好き。戦争がおこなわれていることがしっかりわかるから。っていうか、ケノービ将軍って訳すなら、コーディ中佐でいいのか、って今気づいた。「帝国の逆襲」の中で「スカイウォーカー中佐」という字幕を読んだときに、全作ではただのお兄ちゃんだったルークが軍隊の中にいる、ということを即座に感じることができたことは良く覚えている。スター・ウォーズはその名のとおり戦争映画なんだなぁ、と。

アナキンの心変わり(?)とジェダイの壊滅の部分がいまだにうまく理解しきれない。とりあえず、無理矢理にまとめてみた。

アナキンがメイスを斬った動機は、メイスがパルパティンを裁判にかけることを拒否したことと、それ以前からアナキンがジェダイに感じていた不信感(アナキンをマスターにしなかったことや、パルパティンを民主的手続きを経ずに罷免しようとしていたこと)、そしてパドメを救う方法を知っているシディアス卿に死なれては困る、の3本セットがジェダイの規律に従う気持ちを上回ったから。

ジェダイが民主的手続きを無視しようとしていると言っても、元老院のシステムをなし崩しにしている(らしい)パルパティンはどっちもどっちという状態であることに、アナキンは気付いていて、その両者の綱引き(メイスとパルパティンの窓際でのやりあい)を目の当たりにして判断に困ったアナキンは、パドメを喪失する恐怖に誘惑された、と。シディアス卿のすばらしいお膳立てのひとつである。

この後、アナキンがジェダイ聖堂を襲撃する理由については、なかなかうまく理解できない。メイスを斬った後、パルパティンを裁判にかけて、自らも裁きを受けるというのがジェダイ流ということになるのではないかと。それができなかったのは、シディアス卿がアナキンの心の弱みにつけこんでトリックを使ったからか、とも思ったが、シディアス卿の言う「このままだとジェダイが攻めてくる、その前に滅ぼしちゃえ」に賛同したということになるのかな。あるいは、その2つの組み合わせか。

ジェダイがあれほどあっけなく死んでしまうことも、いまひとつ受け入れられない感じ。ヨーダのようにクローン兵の挙動を理力で感じて、攻撃を避けることができた者は他におらんのかと。オーダー66の存在に気付いたものはいないのかと(星図を改ざんされて気付かないのと同じことか。。。)。オビワンとヨーダがそうしたように、クローン兵の攻撃をたくみにかわしたジェダイはいないのか、と。あれで絶滅しちゃうジェダイって、ちょっと弱いなーと。だからと言って「実は生き残りが」とか言われても面白く無いんだけど。

そして、アナキンの心はさらに動く。彼はその実績に慢心して「オレこそ銀河」と思ってしまう。彼の能力と実績についてはこれまで十分に描かれているし、その後のエピソードでも野心満々ぶりはきっちり描かれている(オレと一緒に天下をとろうぜ、ルーク!)。たった1時間で一気にこの辺を見せちゃうエピソード3は、やっぱりがんばった映画に思えてきた。

そうなると、「ジェダイの復讐」でベイダーがどうしてあんなに元気がないのか、という理由をもう少し説明して欲しかったと思わざるをえない。「ジェダイ」におけるベイダーの不甲斐なさは、公開当時からずっと不満に思っていたところだけど、今回改めてそこに行き当たろうとは。実は、機械の部分に「オーダー66」が埋め込んであって、シディアス卿には逆らえないようになってたりするのか(ロボコップみたいだな)。で、ルークに対してライトニング・ボルトをビリビリさせてたときには、その慢心ゆえに防御がおろそかになってしまって、なおかつ、アナキンの「全の心」が「オーダー66」(仮称)に打ち勝って、シディアス卿を倒せた、と。

まぁ、色々考えたものの、スター・ウォーズにこういうドラマはなくてもいいなと思うことの方が多い(汗)。または、個人レベルのドラマと、より大きなレベルのイベントがせめて同じくらいの規模で影響しあうようなものであってもいいんじゃないかなあと。個人レベルの決断とか血縁とかがあまりに銀河に強く影響しちゃうのは、スケールを小さくしちゃうようでちょっと残念かと。