ブログオジサン

昔、僕がまだ自分をオジサンだと思っていなかった頃、オジサンたちはAMラジオのニュースや、スポーツ新聞やゲンダイやフジの大見出しや、テレビのワイドショーに取り上げられたネタを得意そうに話していた。そのネタは既に盛り上がりの峠を越えたものだったり、激しくバイアスのかかった内容だったりで、そういう言動を聞くにつけ「あー、このネタは社会的に終わってるんだなー」と確信する基準にすらなっていた。

自分がオジサンになってみて、でも、AMラジオやスポーツ新聞やワイドショーをコバカにし続けていて、あー、自分はまだ前述のようなオジサンにはなっていないなぁ、と思っていたつもりだった。しかし、さにあらず。

僕は気がつくと、RSSで上がってくる情報と、そこからリンクされている情報を適当に鵜呑みにして、分かった気になって人に話すだけのオジサンになっていた。ブログで、2ちゃんで、その他のウェブページで読んだ面白おかしい事柄を「ねぇねぇ、知ってる?」とわかったような顔をして話している。

がー、まずいなぁ。こういう人生は予定してなかったよ。

「受け売りオジサン」のみっともなさは、何に由来するんだろう。日常会話でいちいち話題の出典を明示するのは、話のリズムを崩すように思うのでなかなかできない。話題に載せる前にウェブに書かれている情報の裏を取って回るのもこれまた面倒だし、裏を取れない情報だってある。

開き直るわけじゃないけど、人間そうそう自分を基点とする情報なんて持ってないよね。というか、自分発の情報だけで話されても面白くないことが多いと思う。やっぱり、面白そうな話をそこここから集めて、その情報が僕を通ってフィルターされたり、レゾナンスされたりして出てきたものを楽しいと思ってもらえればいいや、と。

うーむ、自分を正当化しようと試みるものの、やっぱりブログ請け売りオジサンはやっぱりかっこ悪いな。かといって、テレビつまんないし、新聞キライだし。本読むのダルいし。