階級闘争と平和ボケ

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20061219k0000m020089000c.html

こういう発言の背景には、雇用側と被雇用側の対立があるのかと思っていたら、いくつかのウェブを巡回するうちに、正社員と非正規社員の間の対立が存在している(または存在させようと、または既に存在しているものを拡大しようとしている)背景もあるのかもしれないと思い当たる。

派遣で働いたり、正社員で働いたりしてきた中で、いくつかの面白い考え方に出会うことがあったが、実際、正社員と派遣さんやパートさんの間に対立の構図がある現場を見たことがないわけではなく、それが拡大されていく様子を想像できないわけでもない。

新卒で入社した会社には従業員の団体が2個あって、その一方は古くからの組合で、もう一方はおそらく会社主導で作られた団体だったように思う。僕は後者の仕事をちょっとだけ手伝ったのだけれど、そこには既に闘争のようなものはなくて、さまざまな労働条件について会社にOKを出すだけの存在だったように記憶している。メンバーも「あー、おそらくここにいる人たちは将来会社側になるんだろうなー」という位置づけの人たちだったように思う(あれから20年近く経った今、当時のメンバーがどういうポジションにあるか知らないけれど)。

使用者側との闘争(というとあまりにキナくさい。交渉とかの方がニュアンスが近いかな)にエネルギーを割くのは面倒くさい。そんな時間があればさっさと家に帰りたい。遊びたい。かといって、サラリーマンやめて自営やるのも面倒くさい。でも給料が下がるのも面白くない(というか、そんなにお金がほしいわけじゃないけど、あんまり少ないのも困るのだ)。

雇用される人たちに払うコストを本気で下げようとして努力している人たちが相手なのに、自分と言えば日々の仕事をやっつけて、さっさと自分の時間に帰りたいという気持ちばかりで動いている訳で、自分の生活を維持したい、良くしたい、という気持ちに根付く行動はほとんどしていない。テレビやウェブを見て文句をたれているだけ。これじゃ、最初から勝負はついているんだよなぁ。