カーズ

以下、ネタバレあり。


すごいことをしてるんだろうなぁ、というのは伝わってくる。レースの部分の激しさは見ていて興奮するし、レース以外の車の動きもとても自然ながらどきどきするものがある。なおかつ、車がしゃべるという設定を無理なく見せてしまえるのはすごいと思う。これはファインディング・ニモでも感じたこと。擬人化を無理なく見せてしまうところにこういう映画のすごさがあると思う。

とはいえ、擬人化することの必然性を感じる話ではないところが何とも残念にも思える。トイストーリーのように人間を出すべきなんだろうか。でも、人間を出すとそのままトイストーリーになっちゃうから、面白くないんだろうか。

話の進め方も、面白いんだけれど手堅すぎる印象。手堅いのは悪いことじゃないんだけれど、もうひとひねりしてビックリさせて欲しいんだよな。期待しすぎなのかもしれないけれど。

終盤のレース部分は、レースとしての面白さをもう少し踏み込んで話に盛り込めないんだろうか。せっかく何でも描ける技術(推測)があるのだから、現実味を残しつつ、現実では見られないレースを見せて欲しいと思ってしまう。特に説明なくセーフティーカーを使って差を縮める話にしちゃうあたり、かなり観客を突き放している(レースをしらないと意味がわからない話になっている)と思うので、あと一息だと思ったのではと思うのだけれど。