サンキュー・スモーキング

イクスピアリでのレイトショーが終わってしまうのであわてて訪問。この主役のお兄さんとは今週2回も映画館でお会いしたことになる。以下、ネタバレ。


そこそこに面白い小品といったところ。べらぼうに面白くは無いけれど、冒頭のステージでの「厚生省はこの子に死んで欲しがってるけれど、我々はそうは思わない」といった種類のやりとりはクスっと笑えるいい感じ。お父さんと子供の関係に関する説明がちょっと多すぎるように感じるし、映画方面の人が思い切りバカバカしく描かれすぎているようにも思えるところがマイナスだけれども、面白い映画だったし、好きだ。

マルボロ男が「ビッグ・リボウスキ」にも出ていた人だったところに笑ってしまった。不覚。

オープニングのテレビ番組はおそらく実際にある番組なんだろう。本物をみたことがあれば、もっと楽しめたのかもしれない。全体に字幕になってない固有名詞とかが多そうだった。別にそれはそれでいいじゃんとも思うけれど、「あー、自分には理解できなかった何かがセリフの原語にはあるんだー」と思うと損した気持ちになるよ。

アップルパイにチーズを乗せて食べておいしいかどうかはわからないけれど、劇中で食べられていた態様の供し方はおそらくおいしくないんじゃないかとは思う。あの「チーズ・オン・アップルパイ」な絵はとても不自然に思えて、しかも、ファーゴのおじさんのオフィスの背後にデカデカとチェダーチーズのポスター(?)が貼ってあって、しかも「これは複線になりますよー」と言わんばかりに字幕で「チェダーチーズはバーモント州!」みたいなことまで言われて、という感じでちょっといただけなかった。字幕のせいで「あー、これって重要な情報なのね」ってわかっちゃうのはシャクだ。

最後のディベートにおいて、タバコの善悪から個人の判断を尊重するかどうかに論点をすりかえちゃうことは序盤に予想できてしまったのではあるが、それなりに爽快感のあるもっていき方にはなっていた。これは何よりファーゴおじさんの「何をやってもなさけなく見える」という人徳によるものではないかと思う。その意味では、ロブ・ロウが「何をやってもマヌケに見える」ところもこの映画にとってプラスの要因になっているかもしれない。キャスティングの人、GJ!

ところで、オープニングの絵がとてもキレイで、全然名前を読もうという気持ちにならなかった。